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天 蚕 の 生 態

家蚕と天蚕 野蚕の仲間


ヤママユガ
天蚕のことを安曇野では親しみを込めて「やまこ」と呼びます。
天蚕は日本原産の野蚕で、鱗翅目ヤママユガ科に属する大型の絹糸昆虫です。
自然の山野でクヌギ、ナラ、カシワ、カシなどの葉を餌として生息し、「やまこ(名蚕)」「やままゆ(山繭)」とも呼ばれています。
 自然状態で一年に一回だけ卵が孵化する一化性で、卵の状態で越年(休眠)します。
幼虫は緑の体色で、四回脱皮(四眠五齢)の発育経過をたどり、卵→幼虫→さなぎ→成虫と完全変態をします。







ヤママユガ ヤママユガ
(8~5月)

・卵色:表面は黒褐色の物質でおおわれています。(のりと保護の役目)
・膠着物を洗い流すと乳白色の卵殻になります。
・産卵後約10日間ほどで幼虫体になるが、そのまま卵の中で翌春まで休眠します。(8ヶ月間)



幼虫 幼虫
幼虫(6月中旬)

・幼虫は繭を作るまでに4回脱皮します。
・何かの気配で静止し、周りと同化します。
・餌を多く食べるようになります。





幼虫 幼虫
(6月下旬~7月)

・繭を作る場所を探して動き回り、お気に入りの場所が見つかると3枚程の葉を綴り合せて繭の土台をつくり始めます。
・糸を吐き終えた幼虫は、シュウ酸カルシュームを出して繭の隙間を埋め、雨などから身を守ります。



蛹 蛹
さなぎ・夏眠(7月~8月)

・繭の中の幼虫は、糸を吐き始めて一週間前後で最後の脱皮をして蛹に変身します。
・さなぎで一か月ほどの夏眠をし、羽化の時を待ちます。



羽化 羽化
羽化(7月下旬~9月)

・夏眠を終えると繭の中の蛹は羽化の準備を始めます。アルカリ性の液を出して繭を溶かし始めます。
・蛹から出た成虫は素早く移動して翅に体液を送り、徐々に翅を伸ばします。



成虫 成虫
成虫
・成虫は口が完全に退化しており、蛹化以降は一切の食餌を摂らずに幼虫時に蓄えた栄養だけで10日前後生きることが出来ます。
・4枚の翅には、それぞれ1つずつ大きな目玉状の模様と淡黒色の横縞があります。




交尾 産卵
交尾・産卵(8月~5月)

・交尾:羽化後、数時間後に交尾をします。交尾時間は2時間ほどでだいたいは一回の交尾で終わります。
・産卵:交尾後しばらく経過した後に産卵します。産卵数は100個から250個ほどでばらつきがあります。


写真提供 : 昆虫写真家 新開 孝氏 & 北條純之氏
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