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やまこの飼育

穂高やまこの学校飼育林 穂高やまこの学校飼育林
飼育林の整備(11~3月)
・飼育樹(クヌギ、ナラなど)の葉が枯れる頃、伸びすぎた枝や込み合っている枝の剪定を行い、翌年の山付に向けた準備を始めます。
・飼育林の日当たりを良くするために、周囲の木の伐採や枯れ草などの刈り取りを行い、周囲の整備も行います。





やまこの学校飼育林の剪定 やまこの学校飼育林の剪定
飼育林の剪定
・剪定を終えると、落ち葉の始末や除草、石灰水の散布やバーナーによりウイルス対策を行います。
飼育林に日光を当てることもウイルス対策になります。







害虫駆除
害虫駆除・ウイルス対策(4月~)

・天蚕山付の前には、幼虫の餌となる樹に薬剤散布をして害虫駆除を行ったり、飼育林の除草を随時行う。
・飼育林の立ち入り時はウィルスの侵入を防ぐために細心の注意をはらいます。






防虫ネット 防虫ネット
網掛け(5月)
山付の前に飼育林をネットで覆い外敵(害虫、鳥、小動物)の侵入を防ぎます。
・数年前よりサルの侵入で、天蚕幼虫や繭の食害が有るために侵入予防ネットも使用し、二重の覆いをしています。



天蚕卵の糊付け
天蚕卵の糊付け(5月)
・わらび粉、柿渋を水で溶いて煮詰め、粘着力の強い糊を作ります。卵が雨風で落ちないようにとの配慮と思われます。













天蚕卵の糊付け


・和紙の上に円形の窓のついた型枠を置き、糊を引き伸ばします。










天蚕卵の糊付け

・糊のついた和紙に卵を置くと、糊のついている部分に30粒程の卵が付きます。








天蚕卵の糊付け


・糊付けされた卵は、芽吹いた枝にホチキスで止められるように切っておきます。







山付 山付
山付(5月)
・芽吹いた枝に天蚕卵のついた和紙をホチキスで止めます。
・山付は新芽の根元にしっかりと止めます。一週間前後で幼虫の孵化が始まります。







切換えし
害虫駆除・切換えし作業(5~6月)
・山付後もネット内に棲みついている害虫(蟻、カメムシ、クモ、マイマイガ、アブラムシなど)の駆除を幼虫が繭を作り終えるまで随時行います。
幼虫は自ら動き回って飼料を食べて成長する。 飼料を食べつくしてしまうと自ら移動する場合も多いが、人手により飼料の豊富な飼育樹に移すことを「切換えし」といいます。






収繭
収繭(6月下旬~7月)
・天蚕の発育経過はばらつきがあり、営繭も1~2週間にわたって行われるので、収繭も1回ではなく、 早いものから数回にわたって行われる。蛹に対する衝撃を和らげる目的から葉付のまま収繭し、 適当な場所に一粒並べにして保護し、葉が乾燥したら葉を取り除き、種繭、糸繭と区別します。







核多角体病を発病した5齢幼虫 死亡した天蚕幼虫

天蚕核多角体病

・膿病(核多角体病)は経口感染で幼虫の4齢~5齢、繭中の蛹で発病し、膿汁が出るなどの症状にて死亡。腐乱し悪臭を放つ。虫死体は枝につかまったままぶらさがっていることが多い。
・膿病ウイルスは膿病蚕の発生した飼育林の地面、株元などに多く残存し、この病気が発生すると同じ場所での飼育が困難であることが多いといわれる。




写真提供:信州大学 繊維学部教授 梶浦善太氏


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