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やまこの歴史勉強会


矢野口和宏さんのお話を聞く会

日時:2月26日(水)14:00~16:00 
会場:国営アルプス安曇野公園

天蚕の歴史の生き字引とも言うべき矢野口さんのお話を聞く会を開催しました。 矢野口さんは「天蚕を世界に誇れる産業として育てるべき」との持論を持たれています。 新型コロナが松本でも発生したということで運営委員の参加は4名でしたが、 学校のサポーターである安曇野ふるさとづくり応援団のメンバーが参加してくれました。

やまこの歴史

矢野口和宏さん やまこの歴史
有明村で天明年間から始められたという天蚕飼育。
当初は山で採取した繭を飛騨に運んで糸にしていたそうですが、 これに飽き足らぬ有明の若者4人が飛騨に糸づくりの現場を視察、有明でもできるはずだと糸づくりの技術者4名を連れ帰りました。 やがて村の女性たちも技術を習得したので有明村でも糸を生産することができるようになりました。 さらに繭についても成虫を捕らえて籠に入れて採卵し、クヌギの木を切って飼育林として作業効率を高めるなどの工夫をこらして、 産業としての発展の端緒についたということです。
明治30年頃には最盛期となり有明の飼育林は1000町歩に及び、農家の70%が天蚕に携わる一大産業となったといいます。
天蚕糸は関西や広島方面に高値で取引されて有明は「他人に言えない」ほど潤ったそうです。
この潤沢な資金を使って中房温泉から引湯して長野から移築した遊郭の建物で温泉旅館を始めたり、 北海道の十勝に広大な土地を購入して天蚕事業にチャレンジして失敗した話。 また衰退期には飼育林の跡地に別荘地が造成され、 アメリカ帰りの親類のアドバイスで現在でも通用するような計画が盛り込まれていた話など、 矢野口さんの米寿とは思われない闊達な話しぶりに皆さん熱心に聞き入っていました。


reported by 安曇野風来亭
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